2014年8月15日金曜日

奥多摩と北海道のミヤマカラスアゲハ採集と標本作製


7/26(土)に奥多摩の日原林道へ行きました。

ミヤマカラスアゲハです。メタリックな青と緑の羽を持つ、宝石のような蝶のハンティングです。 ↓の方たち。











とある事情から綺麗な標本が必要となったのです。
ミヤマカラスアゲハって全国に分布しているのですが、非常に地域差のある種なんですよね。
地域によって光り方も違うので、まずは、近場で獲れる個体と北海道産の個体の比較をしようかと。

北海道産は取り寄せしかないとして、関東の近場でメジャーな産地はおそらく下記3か所。

  • 奥多摩…電車とバス
  • 裏高尾…電車とバス
  • 西丹沢…車


丹沢方面は車必須なのでとりあえず土日で奥多摩と裏高尾に出向いたのですが、2日間酷暑の中踏ん張って捕まえられた綺麗な個体は1頭のみ。

裏高尾にはオナガアゲハやミスジチョウが多かったのですが、ミヤマカラスは発見できず。
奥多摩では吸水行動中の個体が2頭いたので、綺麗な方を「許せ!」と思いながら〆ました。

交通費考えるとこの1頭に3000円以上かかったんじゃないかしらん。

北海道産のミヤマカラスアゲハは1頭あたり1000円ほどの値段で販売されてたのでなんとも。
というかミヤマカラスアゲハの価格っていくらぐらいが相場なのだろうか。



【標本作成の仕方】

とれたので早速標本作製!!

1.網で捕まえ、羽に欠けや擦れがなければ胸部を強くつまんで圧迫し、気絶させる。
2.その隙に三角紙に入れる。自宅に帰ったらそのまま冷蔵庫のチルド室へ。


3.4時間ほど経てば絶命しているので、そのまま展翅にとりかかる。
展翅板、展翅テープ、虫ピン、マチ針を使います。
虫ピンは胸部中央にまっすぐ突き刺すこと。ここで斜めってると全部斜めになります。それはそれで味があるけども。


4.この時期、部屋は湿度が高いので冷蔵庫で1週間~2週間おいて乾燥させる。
冷蔵庫は一般的に湿度40%以下で冬場と同じような環境です。
※ただし、他の食料品も一緒に入っているので使用するときはご家族の了承を必ず取ってください。
※高湿度に保つ機能を標準搭載している冷蔵庫もあるので要注意。

5.乾いたら展翅板から下ろし、標本箱へ移動、完成。
防虫剤と乾燥材も標本箱に入れておきましょう。


さて・・・

いざ、比較!!

ミヤマカラスアゲハの標本ができました。
展翅の汚さは…しょうがない。なにせ15年ぶりくらいなので。。


いやしかし、それにしても綺麗だ!!
奥多摩の夏型


































美瑛の春型
















奥多摩産…全体を落ち着いた緑が覆っていますが、後翅は深い青色となり、ダイナミックで神秘的な光り方が魅力。大人な青ですね。

美瑛産…緑~黄緑のはっきりした光り方。青色ではなく緑です。奥多摩産より一回り小ぶりなのですが緑の光りかたはこちらの方が強く、分かりやすい。妖精とか、そんな雰囲気のある水色っすかね。


いやあー、どっちもすごく綺麗でしたってことで。
甲乙つけられませんな(笑)